http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/663015/

産経新聞のウンコ記事。 

『(略)中国事情に詳しい評論家の宮崎正弘氏は「中国で5、6年前から、日本の高級木材がブームなのは間違いない。『マイクロソフト社創業者のビル・ゲイツ氏が、別荘にヒノキ風呂を設置した』という話が広まり、お金持ちがマネをしている」といいながら、別の見方も披露する。
 「中国人は息を吐くように嘘をつく人が多い。『高級木材が欲しい』といいながら、実は水源林などの土地を狙っている可能性はある。以前、米国の鉱山会社を購入した大金持ちがいたが、まったく開発しなかった。結局、自分の隠し資産を米国に動かすための口実だった。今回の動きも、水源林確保や土地買収、資産隠匿の隠れみのかもしれない」

(略)ただ、ノンフィクション作家の河添恵子氏は、夕刊フジの連載「断末魔の中国」で、「『収益率』『儲け』に強くこだわる中国系企業が、太陽光発電の効率が悪い地域であえて積極的になる理由は『大規模な土地が二束三文で簡単に手に入るため』」と指摘した。
 そのうえで、高級木材を山林ごと購入しようという動きについて、河添氏は「間違いなく怪しい。危ない」といい、こういう。
 「熊本で『アタッシェケースに札束を詰めた中国人が森林を買いに来た』という話は聞いている。北海道では未遂に終わったが、中国資本が海岸沿いの300ヘクタールもの土地買収を計画していた。福島第1原発に近い耕作放棄地を狙っているとの情報もある。中国は着々と日本の領土を買い足している」
 狡猾な中国人には十分警戒しなければならない。』

まず、宮崎正弘の件。ネトウヨが「韓国人は息を吐くように嘘をつく」なんて馬鹿丸出しで言っているのを、自称知識人が何の躊躇なく平気で特定の民族に対して使用するのはまさに信じられない。

ここで宮崎に都合の悪い記事を引用しよう。中国語が理解できないのに、中国事情に詳しいとやらの宮崎とは大違い、本物の中国研究者である矢吹晋によるものである。

http://www25.big.jp/~yabuki/doc11/n-ec0203.htm

『書評・宮崎正弘著『本当は中国で何が起きているか』(徳間書店、2002年2月)
著者宮崎正弘氏は、九八年一一月『人民元大崩壊――中国発「世界連鎖恐慌」の衝撃』を書いた。曰く、「世界が恐れる人民元切下げは、確実にやってくる」「中国経済の破綻寸前の悲惨な状況を看破、不可避の通貨暴落が世界経済と日本にどんな衝撃を与えるかを詳説」と。見通しは的中したであろうか。人民元の「暴落」は、起こったであろうか。答えは明らかにノーだ。狼少年もどき(狼中年か)の予測は大外れに終わった。著者は九五年三月には『中国大分裂』を論じている。当時流行した「ポスト鄧小平期の大分裂」論に便乗したものだが、現実はどうか。鄧小平は九七年二月に死去したが、「大分裂」なるものは起こらなかった。大きな見通しを二つも間違えたからには、土下座して読者に謝罪するのが礼儀であり、なぜ間違えたかのかを真摯に反省し、顔を洗って出直すのが筋というものだ。著者には、「倫理観もモラルも」まるで欠如している。恬として恥じず、顧みて他を言う、「中国は倫理もモラルも消失した」(二八〇ページ)と。『本当は中国で何が起きているのか』と題された本を再読しても何が起きているか、まるで分からない。「マスコミの報じない中国情報」といいながら、ほとんどすべての情報源は、内外マスコミの旧聞だ。しかも間違いだらけの引用ときている。羊頭狗肉、盗人猛々しいとはこのことだ。何清漣著『中国的陥穽』は九八年一月に出て、評者が内山書店『中国図書』に紹介したのは九九年一月のことだ。四年前の本をいまごろ騒ぐのはどうかしている(八六ページ)。「中国の就労階層」なるものを英『エコノミスト』誌から引用しているが(八九ページ)、原書は陸学芸主編『当代中国社会階層研究報告』(社会科学文献出版社、二〇〇二年一月、四四ページ)で、その「中国社会階層結構的演変」の孫引きだ。何清漣と陸学芸の本をごちゃ混ぜにしたのは、一知半解の一例にすぎない。「中国のデッド・レーシォは、(中略)韓国よりも悪い数字」(九八ページ)だという。Debt Service Ratio, Liability Ratio, Foreign Debt Ratio は『中国統計年鑑』(二〇〇一年版二七〇ページ)で公表されている。この基本データさえ把握できずに、デタラメ引用を重ねるばかり。「上海・花東大学」は「上海・華東大学」のはず(二一六ページ)。「軍事委員会主任」は「軍事委員会主席」(二六四ページ)の誤り。「徐匡迪」に「じょ・きょうゆう」とルビを振る無知(二七五ページ)。著者のセリフ「噴飯モノ」(二七六ページ)は、本書への評語として最適であろう。』

まさに、宮崎正弘は息を吐くように嘘をついているのである。

どうでもいいが、河添恵子の意見も滑稽だ。「中国は着々と日本の領土を買い足している」んだって。それがどうした?所有権は中国人のものになっても、日本の領土であることに変わりはないではないか。
バブル時代、日本人はアメリカ人に同様のことを言われたことを忘れているのだろうか。そういう言説は、民族差別が原因なのだ。つまり、間違いなく河添は中国人を差別しているのだ。
違うというならその根拠を示していただきたいものだ。
最後の産経新聞のコメントも失笑もの。
「狡猾な中国人には十分警戒しなければならない。」合法的なビジネスを行っている中国人の何を警戒するのか。
経営危機に陥っている自社の状況をもっと警戒しろよと言いたい。